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インタビュー
株式会社パフ 代表取締役・釘崎清秀社長に聞く

採用戦略の策定から内定者フォローまで
一貫して「顔の見える就職と採用」を目指す

多くの企業が学生の本質を見抜くことに苦労している。逆に学生は、どの企業が自分に合っているのかが極めて分かりにくい状況に置かれている。ネット上には情報があふれているように見えても、実は企業も学生も本当に知りたい相手の姿が見えていないのではないか。そんな問題意識から、「顔の見える就職と採用」をテーマに採用コンサルティングを行っているのがパフだ。企業と学生の間に信頼感を醸成する、同社の取り組みについてうかがった。

少人数制イベントで学生の企業理解を深める

---まず、御社の採用コンサルティングのベースとなっている考え方からお聞かせください。

株式会社パフ 代表取締役・釘崎清秀社長私どもの創業は1997年です。ちょうど新卒採用のためのメディアが、急速にインターネットに移り始めた時期でした。ネットを活用することで、誰もが多くの就職情報に接することが可能になったのですが、同時にネットを見ただけでその企業を分かったつもりになってしまう学生が増え始めた時期でもありました。企業からも、「エントリー数は大幅に増えたが、企業理解が浅い」「何を考えているのか分かりにくい」といった声が多く聞かれるようになっていました。

そこで、私どもが最初に取り組んだのが、企業と学生がお互いに本音を語れる「少人数制イベント」の企画・運営でした。つまり、ネット時代にこそ中身の濃いリアルな場での出会いが必要だと考えたわけです。おかげさまでこのイベントは非常に好評で、そのポリシーであった「顔の見える就職と採用」は、現在も当社のあらゆるサービスを貫くコンセプトとなっています。

その後、クライアント企業の採用・組織に関する課題に対応する形で、採用戦略立案、各種イベント、採用代行(アウトソーシング)、内定者フォローとサービスメニューを拡充してきました。これらを効果的に組み合わせて活用するトータルなご提案が、現在の採用コンサルティングにつながっています。

---特に豊富なノウハウをお持ちの「少人数制イベント」とはどのようなものでしょうか。

新卒採用イベントといいますと、合同説明会のような大規模なものをイメージされるかもしれません。しかし、参画企業や学生数が一定以上になると、内容はどうしても表面的になり、そこで得られる情報も、ネットメディアなどとほとんど変わらなくなります。

そのため、私どもの「パフトーク」というイベントは企業5社・学生100名、やや大きめの「パフLive」でも企業10社・学生200名に限定して開催しています。時期は3年生の秋頃が中心です。

内容は、パネルディスカッションや座談会など。いずれも第三者である私ども、パフのスタッフが司会者や質問者になり、学生が本音で知りたいこと、個別のOB訪問や面接ではなかなか聞けないようなことにまで深く切り込んでいきます。企業としては「そこは曖昧にしておきたい」という質問もあるかもしれませんが、実はそういう部分こそが学生にとって知りたいところなのです。もちろん、それぞれの企業の魅力も最大限に引き出して伝えていきます。

会場内は立見禁止。全員が着席し、文字通り顔を突き合わせられる環境で、中身の濃い対話を実現します。企業が自社にエントリーしている学生を呼んで企業理解を深めてもらうために利用するパターンが多いのですが、同時にWEBでも参加者を募集します。参加のためには作文の提出が必須であるなど、意欲の高い学生のみが集まるように配慮しています。

採用コンサルティングを通して経営全般の課題も解決

---アウトソーシングや内定者フォローも、「学生の立場」からサービスを提供されているそうですね。

株式会社パフ 代表取締役・釘崎清秀社長イベントの話にもありましたが、「企業が伝えたいこと」だけを伝えていたのでは、学生は本当に企業を理解することができません。私どもは、あらゆるサービスを「学生の視点」に立って行うことで、最終的には企業にとっても好結果を生んでいきたいと考えています。

具体例をあげますと、アウトソーシングでは、学生との電話応対はすべて自社スタッフが行っています。外部のコールセンターは、たしかに技術は一定の水準かもしれませんが、どうしても事務的になってしまうからです。イベントなどで日頃から学生と接しているスタッフが電話することで、学生からも「対応が親身で良かった」という声が多くのクライアントに届いています。

また、内定者フォローのサービスでは、内定者同士が交流できる独自のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)システムをご提供し、内定辞退者の削減、お互いに助け合う同期意識の形成などにお役立ていただいています。さらに、入社前教育や内定者向けの各種イベントの企画・運営を通じて、内定期間を「入社後の戦力化に向けての準備期間」と位置づけるご提案も行っています。

---企業からは、採用に関してどのようなご相談が多いのでしょうか。

最初の入り口としては、「より効率的に新卒を採用したい」「良い人材を採るにはどうすればいいのか」といったご相談が多いのですが、さらに深くお聞きしていくうちに、「若手を入れて組織を活性化したい」「退職者が増えているのをなんとかしたい」など、より経営に近いご相談をいただくケースが多くなります。

現在、年間で約180社に採用コンサルティングや各種サービスをご提供していますが、業種・規模なども多岐に渡っており、創業以来蓄積してきたケーススタディーも豊富です。新卒採用だけにとどまらず、人事・組織に関する課題でしたら、何でもお気軽にご相談いただければと思います。

「職サークル」でめざす日本の学生の底上げ

---現在、特に注力されている活動や取り組みについて教えてください。

新卒採用にはさまざまな課題が指摘されていますが、最大の問題は「企業が欲しくなるような学生が少ない」ということではないでしょうか。これは大学だけで解決できる問題ではなく、企業の協力も得て、早い段階から学生のビジネス感覚や社会感覚、就業意識などを育てていくことが重要だと考えています。

そこで、私どもは「職サークル」というものに取り組んでいます。採用や選考とは関係なく、企業と学生がお互いを理解し合える場を作る試みで、現在約40社の企業にご協賛いただき、さまざまなイベントを行っています。

その代表的なものが「月見塾」。明治維新の人材を数多く輩出した「松下村塾」に倣って運営しています。社会人と学生とが、たとえば「日本の将来」や「人生」など正解のないことについて、車座になり語り合うというものです。毎回、立場や年齢を超えた、熱い議論が展開されています。年間を通じて実施しており、大学1~2年生が参加することもあります。他にも随時、就職相談やインターンの採用にも取り組んでいます。いずれも当社のめざす「顔の見える就職と採用」を実現する企画であり、また日本の学生全体を底上げしていくためのチャレンジでもあります。今後、より多くの企業にご協賛いただきたいと思っています。

---ありがとうございました。企業と学生の相互理解を促進することで、定着や戦力化までも視野に入れた採用成功を目指されている、御社のコンサルティングスタイルがとてもよくわかりました。

株式会社パフ 代表取締役・釘崎清秀社長

企業データ

社名 株式会社パフ
本社所在地 〒102-0072
東京都千代田区飯田橋 1-5-9 精文館ビル6階
事業内容
  1. 職サークル運営・推進事業
  2. 新卒採用コンサルティング事業
  3. 新卒採用業務代行事業
  4. 新卒内定者フォローシステムの運営サポート事業
  5. 大学向け就業力育成支援事業
設立 1997年12月12日
代表者名 代表取締役社長 釘崎清秀

会社情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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