企業が本当に採りたい学生を集め、育成する
コンパクトな母集団形成で効率的な採用を実現
大量のエントリーから、ごく少数の優秀な学生を探し出す。そのための半年以上に渡る煩雑なプロセスに、企業も学生も疲れ切っている――それが現在の新卒採用の実情ではないだろうか。そこで、最初から「本当に欲しい層」に絞り込んだコンパクトな母集団を形成し、企業・学生の双方の負担が少なく、効率的な新卒採用を提案しているのがジョブウェブだ。優秀な学生を集めるだけではなく、育成も視野に入れた同社のコンサルティングについてうかがった。
成長志向の高い学生達との出会いの場を提供
---まず、御社の新卒採用コンサルティングのコンセプトについてお聞かせください。
あまり採用コンサルティング会社だとは思ったことがなくて難しいのですが、「学生の成長を支援するコンサルティング」というのでしょうか。学生の成長を支援することで、企業が採用したい学生が増え、結果的に採用活動も成功を収める。そういう想いがあります。
「なぜ企業が学生の成長を支援しなくてはならないのか」と思われるかもしれませんが、企業の方に誤解していただきたくないことが二つあります。すべての学生に成長機会を提供する必要はないことと、「学生が求めていること」という視点のみではなく「自社の魅力(やりがい、ビジネス上の強み)」を伝えるコンテンツを考えることの二つです。
学生が求める機会を提供しようという視点だけでは、「人事が伝える面接のポイント」などの就職支援系のコンテンツを実施してしまいがちです。しかし、それでは、学生の満足度は高くても、自社の魅力が伝わりにくく、内定にはつながらない可能性が高まります。
もちろん、こういうコンテンツが悪いわけではありません。学生への知名度向上には効果的です。しかし、社員を採用し、活躍してもらうことをゴールにするなら、工数がかかり過ぎです。複数ある自社の魅力の中でどの魅力をターゲットとする学生が興味を持つのか。 どの魅力が参加すれば確実に気づきを得られるのかを考えることが重要です。その考えをふまえたコンテンツが、結果的にターゲットとなる学生を集め、自社の魅力も伝えられるコンテンツになり、ターゲティング採用につながります。
ジョブウェブは、さまざまなタイプの成長志向が高い学生と日々触れ合っています。学生からの情報を元に、ターゲットとする学生は何を望んでいるのか、また、クライアントの企業様の強みや特徴の中で、どういう点を魅力に感じるのかをディスカッションしながら、最適な解決策をご提案しています。
もともと私どもは、学生向けの就職情報交換メーリングリストの運営母体としてスタートしました。その後、学生が何を望んでいるのかを知る立場として、企業向けにセミナーなどの企画を手がけるようになり、これが現在の採用コンサルティング事業のベースになっています。企業と学生の双方にとって、もっとも良い出会いの機会を創りたいというのが、私どものコンサルティングの出発点なのです。
---具体的にはどのようなソリューションを提供されているのでしょうか。
基本的には、採用したいと思える学生との出会いの場を提供しています。そのために提供しているソリューションは、大きく分けて三つあります。一つ目は、自社運営の就職サイト「ジョブウェブ」です。利用している学生は、首都圏・関西圏を中心に約3万人。決して大規模なサイトではありませんが、アクセスしてくる学生には、「成長意欲がある」「安定よりも成長志向」「情報感度が高く自発的でアクティブ」といった傾向があります。属性としては、いわゆる「上位校在籍者」が多いことも特色です。セミナーのプログラムによっては、東大・京大・早慶クラスが全体の約60%を占め、MARCH・関関同立クラスも含めると90%に達することもあります。
二つ目は、ジョブウェブ主催の「小規模合同イベント」です。近年、企業の多くは即戦力となりそうな、完成度の高い学生を強く望んでいます。しかし、そういう人材は成長意欲の高い学生の中にも、決して多いわけではありません。そのため、私どもは「優秀な学生を集める」だけでなく「育てる」という観点から、自社主催のイベントの充実にも力を入れています。イベントの多くは30~40名前後の規模で行い、密度の濃い内容で高い評価を得ています。その結果、「ジョブウェブ」には主に口コミで、ポテンシャルが高く、ネットワーク志向の強い学生が集まってくるという好循環が生まれています。
三つ目は、「オリジナル企画」です。時間が割けない、どうやればいいのかわからないなど、さまざまな要因が重なり企業だけでは何かやりたくても実施が難しい場合があります。その場合は、私たちが蓄積している「ターゲットとなる学生が何を望んでいるか」という声を元に、ジョブウェブ側で企画や運営も含め、プロジェクトの推進を実施します。解決策の例としては、自社の事業・仕事の魅力を伝えるコンテンツの設計、開発。第三者の立場から魅力を伝える、ジョブウェブとの共同開催や、時には外部の方も巻き込んだセミナー、インターンシップの企画、運営。また、一度接点を持った学生のフォロー案、選考プロセスの設計や面接官トレーニングなども実施しています。
企業イメージを再設定する採用戦略コンサルティング
---クライアントにはどのような企業が多く、また、どんな要望があるのでしょうか。
新卒採用プロジェクト全体をお任せいただくより、将来の幹部候補者の採用など、10名以下の特別な採用枠に特化した形でお手伝いすることが多い傾向にあります。
日本を代表する企業や、これから成長を遂げようとしている企業など、規模も業種もさまざまで、幅広い企業からご要望をいただいています。
学生の誰もが知っているような企業であれば、大きな母集団にアプローチをしても学生は集まります。しかし、知名度があるが故に、安定志向の学生が多く集まってしまい、本当に欲しい層は集まりにくく、また、見つけにくくなってしまいます。そのため、アプローチする母集団がセグメントされていて、かつある程度の母数があるところにアプローチしたい、というご要望をいただきます。
また、BtoBビジネスを展開する企業や、設立から数年の企業は、まだ学生からの認知度が低いため、どうすればターゲットとなる学生を採用できるかというご相談をいただきます。
知名度にかかわらず、内容のあるイベントを重ねていくことで企業の本質的な魅力が学生に伝わり、結果的に優秀な学生の採用に成功したケースは多いですね。
これからのトレンドは人材育成
---今後、力を入れていく予定の分野はありますか。
「人材の育成」に注力したいと考えています。現状では3年生の後半くらいから、各種イベントに参加してもらうパターンが中心ですが、今後は低学年からビジネスや企業への理解を深めてもらえる企画を行ないたいですね。時間をかけて取り組むことで、学生には必要以上の負担をかけず、卒業後のイメージをもって大学の勉強にも取り組んでもらえるようになるはずです。ぜひ、多くの企業にご賛同いただきたいと思っています。
---ありがとうございました。学生の立場と企業の立場の両方を理解するコンサルティング会社として、多くの成功を重ねられている御社のコンセプトがよく理解できました。
企業データ
社名 | 株式会社ジョブウェブ |
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本社所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木2-2-6 福吉町ビル2F |
事業内容 |
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設立 | 1999年10月8日 |
代表者名 | 代表取締役社長 佐藤孝治 |