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専門家コラム

選ばれる企業のインターンシップ施策

2022-10-31 テーマ: 人材採用

選ばれる企業のインターンシップ施策
学生が集まる企業になるためには、どのようなインターンシップを設計すべきか


対象者×目的×手法×期間を明確にしたプログラムを設計する


インターンシップとは

新型コロナウイルスの影響下で停滞気味であったインターンシップ実施率も復調してきました。
インターンシップは、企業と学生間のコンタクト機会としてなくてはならないと存在であると再認識できた一方で、 「インターンシップを実施しているものの、学生が集まらなくて困っている」 「インターンシップの参加から採用に繋がらない」といった声をよく耳にします。
企業がインターンシップを行う目的とは?と尋ねると大半の方は、「採用活動です。」とお答えするのではないでしょうか。
インターンシップとは「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した職業体験を行うこと」と1997年に 現在の文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省合意によって定義されました。そのため、本来「採用活動」は定義に含まれておらず、企業側が直接的に求める成果とは乖離があるのが実際です。


インターンシップを実施する上でのメリット・デメリット

次に、企業がインターンシップを実施する上でのメリット・デメリットについて、整理しています。

【メリット】
1.学生との接触機会

①企業の認知(概要・雰囲気の体感)
知名度の高い企業は、学生に人気であるため必然的に学生が集まるものの 中堅・中小企業においては、いかに学生に認知・興味関心を持って頂くかが重要になります。 学生からの満足度によっては、選考プロセスへの志望度を高めることも期待できます。

②学生の理解
実際にインターンシップに参加された学生とのコミュニケーションを通じて、 学生からの意見や不満を知ることでき、生の声を聞くことで、今後の改善策に活かします。

2.企業価値の向上
①CSR(企業の社会的責任)
自社の採用活動だけを目的とするのではなく、 インターンシップを通じた地域活性化や学生教育(課題解決型のプログラム 等)を実施することで CSRにも繋がります。

3.自社の人材育成
①自己啓発の促進・キャリアの見直し
インターンシップの場に自社員を参画させることで、 キャリアの振り返りや働くことの意義を客観的に見つめ直すきっかけにも繋がります。 また、誰かに教えるという機会から自己啓発を促す効果も期待できます。


【デメリット】
1.学生との認識違い

学生が思っていたプログラムと企業が提供するプログラム内容に認識の違いがあった等、 インターンシップの満足度によっては、かえって志望度を低下させてしまう可能性もございます。

2.社内の負担
インターンシップの実施期間によっては、学生を受け入れる社内体制の構築や、 学生に指導する社員に負担がかかってしまうことが懸念されます。
上記に加え、一部の社員のみが負担を被るパターンになると、社内の雰囲気が悪くなることも考えられます。 そのため、いかにして会社全体でインターンを受け入れていくかといったところも非常に重要な要素になります。


インターンの設計ステップ

では、具体的にどのようにインターンシップを設計していけばよいのか、下記の通り整理しております。

STEP1:事前準備
(1)はじめに「目的の明確化」である。これは、自社の経営理念・ビジョン・戦略に基づきインターンシップを実施する目的を明確にします。具体的には、下記内容を検討していきます。
①そもそも、自社の求める人物像は明確になっているか。
②対象者は何年生にするか。
③実施手法・時期・期間をどうするか。
➃参加学生が求めるニーズは何か。
⑤自社の提供するインターンシップの価値は何か。

(2)上記を踏まえ、プログラムの設計に移ります。内容としては、インターンシップに参加することで何が得られるのか(≒成果)を明確にすることでもあります。 例えば、「参加企業・業界の理解に繋がる」「自己分析に活かせる」「自身のスキルアップに繋がる」等が考えられます。

(3)プログラム骨子が明確になれば、次は詳細のスケジュールや当日使用するワークシートの作成になります。 ここでは、当日参加する社内メンバーからの意見も取り入れながら検討が必要になってきます。

STEP2:学生の募集
(1)次は、学生の募集になります。 いかに素晴らしいプログラムを設計したとしても学生がいなければ意味がありません。 媒体の活用や自社HPへの掲載、SNS等による発信といったあらゆる広報方法を取りながら募集します。

(2)また、参加プログラムに認識のずれが生じないよう、参加確定した学生に対するフォローも必要になります。

STEP3:インターンシップの実施
(1)インターンシップの実施にあたっては、プログラム終了後の目標を事前に明確にすることが必要になります。
例)プログラムに参加する目的は何か。最終的な目標は何か。目標達成に向けてどのような行動が必要か。 等

(2)また、実施期間中は学生からの質問や個別フォローをこまめに取れる体制を取っておくことがポイントになります。

STEP4:総括
(1)インターンシップ終了後には、プログラムの改良に向けた反省会 等を実施することが必要になります。
①学生に対しては、簡単なアンケートを取り率直な意見をいただきます。
②メンバーに対しては、アンケート結果を踏まえて、 プログラム内容や運営面含めた振り返りを行うことでブラッシュアップに繋げます。

(2)また、参加した学生によっては今後の選考ステップへ志望することも十分に考えられます。 当日の参加姿勢や人柄等は、採用の判断基準にも繋がるため早期にまとめましょう。


※本コラムは茂呂が、タナベコンサルティングの経営者・人事部門のためのHR情報サイトにて連載している記事を転載したものです。

【コンサルタント紹介】
株式会社タナベコンサルティング HRコンサルティング事業部
HR東京本部 コンサルタント
茂呂 駿佑

「企業と社員の成長をかなえることを目標とし、企業理念の浸透と全社員の『物』『心』両面の幸せを実現する」をモットーとし、中小・中堅企業向けの人事制度構築や教育制度構築に従事。
また、研修での指導・コーディネーターにも携わり、中堅・若手・新入社員の成長を支援している。

主な実績
・中堅卸売業:人事制度再構築コンサルティング
・中堅卸売業:業務改善コンサルティング
・中堅製造業:企業内大学設立支援コンサルティング
・中堅製造業:中期経営計画策定コンサルティング
・中堅建設業:教育体系構築コンサルティング

株式会社タナベコンサルティング コンサルタント
創業60年以上 約200業種 15,000社のコンサルティング実績 企業を救い、元気にする。皆様に提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。
強い組織を実現する最適な人づくりを。 企業において最も大切な人的資源。どのように育て、どのように活性化させていくべきなのか。 企業の特色や風土、文化に合わせ、組織における人材育成、人材活躍に関わる課題をトータルで解決します。

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