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専門家コラム

自社のパーパスと連動した採用戦略策定のメリット

2022-10-04 テーマ: 人材採用

自社のパーパスと連動した採用戦略策定のメリット
自社のパーパスを基軸とした“共感型”採用への転換


"選ぶ"採用から"選ばれる"採用(企業)を目指し、自社の求める人材像を見直しましょう!


はじめに ー 現在の採用環境 ー

人材採用環境は、2019年の新型コロナウイルス感染拡大前までは、「超採用難」時代と言われてきました。 しかしながら、みなさんもご承知の通り新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各社の事業戦略・経営戦略の転換および先行き不安・不透明な状況ということもあり、人材採用を足踏みしていた企業が多く見受けられ有効求人倍率も右肩下がりへ陥ったが、2020年末頃に有効求人倍率の底を打ち、徐々にではあるが、上昇傾向にある。
また、人材採用環境では、コロナウイルス感染拡大を機に「採用方法(説明会・面接は、対面からwebの活用へシフト)」や「労働者の価値観の変化(自分らしい生活を送ることへの重視)」に伴い、今まで通りの人材採用手法では、 自社が求める人材を採用しづらい環境になってきているのではないでしょうか。


働き手の価値観の変化

新型コロナ前・コロナ後では、働く多くの世代において価値観が一変しております。

我々の調査結果では、 コロナ発生前は「自分のスキルや価値を発揮できる」、 「良い結果を生み出す」という価値観が上位にランクインしていたものの、 コロナ発生後は「自分らしい生活を送る」、「組織としての幸せを実感できる」という価値観が 上位にランクインしております。特に、新入・若手社員世代より、このような結果が色濃く表れております。

このことは採用シーンにおいても顕著であり、 従来通りの採用の仕方・打ち出し方では、今までのような成果を上げることが難しい環境にあると言えます。 言い換えれば、 各企業の採用戦略・採用の打ち出し方も従来の発信方法・発信内容を見なさなければいけない状況にあるのです。


"選ばれる"採用(企業)に向けた、自社のパーパス・カルチャー(組織文化)に基づいた人材像の再設定

先述の通り、新型コロナを受けて働き手の価値観は大きく変わろうとしています。 その中で、採用に"成功"していると言われている企業、すなわち、自社が求めている人材を採用出来ている会社は、 自社のパーパス・カルチャーに基づいた人材像を再設定し、採用活動を進めているという特徴があります。 人材採用をしている企業であれば、どの企業でも自社が求める人材は設定していると思います。 しかし、よく見受けられるのは、下記のようなイメージです。

(求める人材像 例)
1.素直な人材
2.向上心を持っている人材
3.責任感がある人材
この例であげた、求める人材像が悪いわけではありません。
自社のパーパス・カルチャーを体現している内容になっているか。また、他社との違いを打ち出しているかです。 ぜひ、自社のパーパス・カルチャーを体現する求める人材像を再設定していただけたらと思います。

自社のパーパス・カルチャーに基づいた人材像を再設定する際のポイントは、自社の優秀人材の再定義です。 優秀の定義は、各社・個人でも千差万別かと思います。「学歴が高い」「多くの知識経験を保有している」「コミュニケーションに長けている」「素直で言われたことをしっかりと実行する」等 挙げるとキリがありません。 そこで、「自社で活躍している人材の特徴・特性」「自社の組織に馴染みやすいタイプ・性格」を洗い出し、求める人材像に落とし込むことを推奨します。その際に、人事・人材採用担当者のみならず、現場で活躍している人材や幹部人材を巻き込みプロジェクト形式で設定が出来るとなお良い取り組みになります。

また、人材採用は、採用して終わりでは無く、採用→活躍→定着を見据えた採用活動が必要です。 人材不足の時代だからこそ、人材確保を第一に活動を行いがちですが、その先の"活躍・定着"を見据えた採用をするために、求める人材の再設定を行うことがポイントです。


最後に

働き手の価値観が変化・多様化していく中、自社の採用力を強化していく施策において処遇面や職場環境の向上のみならず、自社のパーパス・カルチャー(組織文化)に"共感"してもらい、自社で活躍してもらえる人材採用に向けて、まずは自社のパーパス・カルチャーを整理し、求める人材像に落とし込み、自社の良さ・特徴・他社との違いを発信し、 "選ばれる"採用(企業)を目指して参りましょう。


※本コラムは渡邉が、タナベコンサルティングの経営者・人事部門のためのHR情報サイトにて連載している記事を転載したものです。

【コンサルタント紹介】
株式会社タナベコンサルティング HRコンサルティング事業部
HR東京本部 部長代理
渡邉 雄太

アカデミーコンサルティングチームのサブリーダーとして、クライアントの人材開発を支援するとともに人事全般のコンサルタントとして活躍中。また、経営トップの思いの具現化に向け、現場のリーダー・メンバーと一体となった企業変革を推進し、実現することを得意としている。

主な実績
中堅建設業:人事制度再構築コンサルティング
中堅システム建築業:ジュニアボード
装飾卸売業:アカデミー構築コンサルティング
中堅自動車部品卸売業:人事制度再構築コンサルティング

株式会社タナベコンサルティング コンサルタント
創業60年以上 約200業種 15,000社のコンサルティング実績 企業を救い、元気にする。皆様に提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。
強い組織を実現する最適な人づくりを。 企業において最も大切な人的資源。どのように育て、どのように活性化させていくべきなのか。 企業の特色や風土、文化に合わせ、組織における人材育成、人材活躍に関わる課題をトータルで解決します。

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