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専門家コラム

DX人材~採用と育成のポイント

2022-05-17 テーマ: 人材採用

DX人材~採用と育成のポイント
最近よく聞く、DX。なんでもDXなの?そうです、なんでもDXなのです!


前書き:
「テレワークしているから、DXを実施している」
という勘違いしている方もいるぐらい、DXを抽象的な捉え方をしている実態があります。
DXとは、デジタルトランスフォーメーション。デジタルを活用して、既存のビジネスに変革をもたらすことです。
つまりDX人材とは、デジタルを活用して、既存のビジネスに変革をもたらす人材ということになります。
そういった人材を、社内で育成するポイント。また、社外から採用するポイントについて、説明していきます。


DX人材とは~経済産業省による、DX人材の定義

DXもDX人材も広義なため、ここでは経済産業省が、2018年に発表した、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(通称、DXガイドライン)」において、DX人材について触れている文章をご紹介します。

人材: DX の実行・推進のために必要な人材の育成・確保 に向けた取組が行われているか。

- DX 推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材の育成・確保
- 各事業部門において、業務内容に精通しつつ、デジタルで何ができるかを理解し、DX の取組をリードする人材、その実行を担っていく人材の育成・確保等

※ 人材の確保には、社外からの人材の獲得や社外との連携も含む

としているわけですが、これによると、デジタル技術に精通した人材もその動きをけん引する人材もDX人材と呼びます。


タナベ経営の考えるDX人材

タナベ経営では、戦略を理解しているだけでも、デジタルに精通しているだけでもない、「自社の戦略を理解し、デジタルを用いて競争力を高めることができる人材」をDX人材と定義しています。

デジタル技術・データ活用を理解し実践ができるだけではなく、自社の戦略を理解し、または、戦略を組み、周りも巻き込み推進していく人材です。DXの推進は一人でできるものではなく、企業全体で進めていくものです。DX人材を「育成」するか「採用」するか迷っている企業様もこちらのマインドセットは共通して言えることかと存じますので、ご参考にしていただければ幸いです。


DXを実施するために、必要な「人材育成」と「採用」

全員で取り組む全社DX作戦

皆様が導入しやすい事例を2つ紹介します。
1社目は、全員のデジタルスキルチェックを行い、全員がデジタルに向き合った事例です。
同社は、地域でも歴史のある会社ですが、平均年齢が45歳となり、高齢のスタッフが多くなってきていました。最低限の売上管理システムは運用できていますが、最近導入したタレントマネジメントシステムなどは運用できておらず、生産性向上に向けたデジタル化の抵抗感が否めませんでした。
この状態を打破するために、PCやITスキルのチェックリスト作成し、全員で自己点検を行いました。それを点数化して、その点数アップを人事評価に取り入れ、全員意識するように仕向けてデジタル化のスタートを切るようにしました。

2社目は、社内にデジタル推進委員会を作って、展開・推進した事例です。
DXといっても手段は様々ありますが、この会社では「RPA」をテーマとしました。部門横断、階層・年齢もバラバラで、7名の委員会を組成。自分たちでRPAを学びながら、同時に会社の部署の事務作業の現状分析を行いました。そこから、優先度と重要度から業務をリストアップして、委員会で業務の棚卸や業務フローを作成し、RPA化を進めていきました。
今では、入社2年目の社員が、委員会メンバーになり、委員会を通して他部署のPRA化を進め、社内で活躍をしています。


外部登用でDXを始める

これは経営者の考え方にもよりますが、改革をスピーディーに行うには、私は外部登用をオススメしています。
理由は、主に下記の2点です。

1. 既存の社員では、日常業務があり、兼務でDXに取り組むことになるから
2. 今までのやり方を変えることに億劫な社員が多いから

つまり、社内で行うには時間を要するので、外部登用を行います。
また、外部登用の人材においては、システムエンジニアなどを要望される方もいますが、自社のシステムを作らない限り、そのような人材は必要ありません。すでに、様々なものがデジタル化でき、そのツールも選びきれないほど市場に溢れています。自社の内容にマッチしたものを選択し、自社に浸透させていける人材を採用していけばよいのです。


DX化に当たっての「採用・育成」の検討ステップ

STEP1:経営者自身が、DXを理解する
STEP2:自社のDX化したい目標を決める
STEP3:自社の組織・人材で実行できるか検証する
(1)実行可能・・・チームを組成して、ミッション・期限を与える
その際、あまり大きなミッションだと成果がボケるので、スモールスタートを心掛ける
(2)実行不可能・・・外部登用をする
その際、その人材にはDXのみのミッションを与えて、業務に取り組ませる


ありきたりな事を言います、「継続は力なり」

冒頭のサブテーマに、「なんでもDX」と書きました。
私たちの仕事の仕方は変わっています。時間の流れとともに変わっているので、変化として感じない事も多いですが、10年前と比べてみてください。変わっていませんか。
変わらないと非効率を続けることになり、会社が持たない時代が迫っています。なんとか人力でやり切る根性の時代は終わっています。
あれもこれもDXできないか、人でやるべき仕事は何か。今一度DXを推進しながら、考えていただければ幸いです。


※本コラムは細江が、タナベ経営の経営者・人事部門のためのHR情報サイトにて連載している記事を転載したものです。

【コンサルタント紹介】
株式会社タナベ経営 北海道支社
副支社長
細江 一樹

「人事制度で人を育てる」をモットーに、制度構築を通じた人材育成はもちろんのこと、高齢者・女性の活躍を推進する制度の導入などを通じ、社員総活躍の場を広げている。人を生かす独自のアイデアを数多く生み出し、ソフトな語り口での提案と、本質をズバリ提言するコンサルティング展開で、クライアントから高い評価を得ている。

主な実績
学校法人:評価システム設計コンサルティング
食品メーカー:退職金制度再構築コンサルティング
小売業:福利厚生制度設計コンサルティング
製造メーカー:賃金システム改革支援コンサルティング

株式会社タナベコンサルティング コンサルタント
創業60年以上 約200業種 15,000社のコンサルティング実績 企業を救い、元気にする。皆様に提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。
強い組織を実現する最適な人づくりを。 企業において最も大切な人的資源。どのように育て、どのように活性化させていくべきなのか。 企業の特色や風土、文化に合わせ、組織における人材育成、人材活躍に関わる課題をトータルで解決します。

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